※ 最も多く使用されているサイズの熱風ヒーター 50w~9kw 10~400L/min.
※ 1000℃常用に対応(大容量タイプ)。 小電力品種は900℃-max.
SAHD-10S シリーズ 金属ケースφ13  50w~2.4kw
SAHD-15S シリーズ 金属ケースφ19  650w~4kw
SAHD-18S シリーズ 金属ケースφ22~6kw
SAHD-23S シリーズ 金属ケースφ28~9kw
従来発熱体のSAHシリーズも生産しています(図面内に並記→SAH)
世界一の超小型,超高温ヒータ
世界一の超小型,超高温ヒータ
10AS型

50w~440wクラス 10AS型 φ13-L57mm 吹出φ8mm

10BS型

~440w 10BS型 φ13 LT48mm 吹出φ2mm

10CS型

~440w 10CS型 φ13 LT48mm 吹出0.5×26

10AS型

650w ~1kwクラス 10AS型 φ13-L94mm 吹出φ8mm

15PS型

1~4kwクラス 15PS型 φ19-L95~L155mm 吹出M19ネジ

23PS型

9kwクラス 23PS型 Φ28-L240mm 吹出M28/M25F

主な用途

各種予熱,加熱加工,ロー付け,溶接,切断,蒸発,乾燥などに超低コストで対応できます。電気,機械,自動車,半導体工業をはじめ、あらゆる工場,実験室,研究室などで多数活躍しています

熱風ヒータシリーズ中での位置

最も需要の多い50w~9kwの範囲をカバーする品種。 従来から最も多く使用されてきた10H,15H,18H,29Hシリーズのケーシング構造を大幅改良し、更に新技術の超高密度発熱体HD-coilを採用してさらなる超小型化,耐風圧性能の大幅な向上を実現しました

HD-coil の詳細

大まかな仕様

・・・・ 電力 50w~9kwの範囲
エアー耐圧  0.4MPa(Pタイプ),他は0.2MPa
エアー温度  常温~最高1100℃(高温対応品)
エアー流量 
・・ 10□S型  推奨 10~180L/min
・・ 15□S型  推奨 20~250L/min
・・ 18□S型  推奨 20~300L/min
・・ 23□S型  推奨 30~400L/min

低流量時には場合によっては根元部の金具(ベース)が過熱して許容温度150℃を超える可能性があります。その場合、それに対応した特注品を使用するか、又は外部から空冷等を行う必要があります。

熱風ヒータ内への外気逆流現象について

熱風ヒーターを大気中に直接放出する場合は、吹出し口から内部に外気がかなり逆流するので、熱風温度測定にはこの事を十分に考慮する必要があります。 逆流現象の解説

圧力損失についての注意事項

SAH型熱風ヒータは比較的圧損の大きな熱風ヒータです。また同じ太さのヒータであれば圧損はヒータの定格電力比のほぼ3~4乗に比例して大きくなります。しかしヒータ外径を大きくすると、圧損は大幅に少なくなります。圧損はヒータ太さ比の4乗又はそれ以上に逆比例すると思ってください。

同じ太さでヒータ電力が2倍になれば、圧損はざっと10倍、ヒータ径が2倍になれば、圧損はざっと1/15。
10Sシリーズ(φ13)でも2kwクラスの大電力ヒータは作れますが圧損が大きく、ご使用条件によっては0.3MPaを超えます。大流量で圧損が問題になる場合は流量に応じて15S,18S、23Sシリーズ,18H,29Hシリーズ等の太い径のヒータをお勧めします。 

ただし最近の知見では圧損を大きく、通常品の約5倍に相当する0.1~0.3MPaにすると熱伝達効率が著しく向上し、ヒータが更に小さくなると共に、より高温熱風(1000℃~1100℃)が出せる様になる事がわかっています。HDコイルの著しく高い耐圧縮性能と特別な支持構造の採用により超小型,超高温のヒーターが出現しています。各SAHDシリーズの最大出力品がこれに相当します。

発熱体部(いちばん下の写真)とノズル部(中央の4種類)を自由に組み合わせることができます。先端がネジのP型ノズル部を使えば、写真上段の各種ノズル,接続ネジが使えます。

これらパーツは標準では本体に接着,溶接等はしません。必要ならばご注文時にご指定ください。

発熱体交換などの作業(発熱体部とノズル部の組み付け)は、ある種の訓練が必要ですので、お客様での取り外しはやめてください。販売店,またはメーカーでの対応となります。

何かトラブルがあっても、ノズル部(保護管)を外された場合はメーカー保証外となります。

左:従来の発熱体(密着花巻)
右:HD-coil 超高密度発熱体

SAH100v-800w/15□Sタイプ用
どちらも同じ電熱線径,展開長なので、熱交換面積もほぼ等しい。

φ4加熱管
1000℃の熱風を吹き出しているヒーター 200v-1kwタイプ (外径φ13)
φ4加熱管
熱風出口から見た発熱体

サブコイル入保持リング(PAT)の採用により、発熱体とセラミック芯が高精度で中心に保持され、更にサブコイルのエアー拡散効果でエアー流が均質化し、熱風温度センサーの温度測定バラツキが改善しました。

φ4加熱管
200v-440w発熱体比較

上:従来の発熱体  下:HD-coil 発熱体

どちらも同じ太さの電熱線を同じ長さ巻いたもの。同等以上の性能なのに、HD-coil(下)は半分以下のサイズです。

詳細技術説明

Fe-Cr-Al系電熱線からなる超高密度発熱体を石英管の中に配置し、その中にエアーを流して加熱する構造の精密な熱風ヒータです。ヒータ部は金属ケースにおさめられており、堅牢で扱いやすいものです。

当社の従来品熱風ヒーターSAHシリーズは密着花巻コイルという技術により、1975年当時の他方式熱風ヒータに対して数分の一以下のサイズと800℃に達する高温熱風が出せるという特徴により、多くの工業用加熱分野で今日まで採用され続けてきました。

そして今回の新技術は、これ以上の小型化は無理と思われていたSAH発熱体の大幅な小型化(従来比約30%)を可能にし、更に耐風圧強度(圧縮力を加えた場合の変形しにくさ)も約20倍になっています。また発熱体の小型化は熱ロスの減少にも寄与し、熱ロスが約1/2になりました。HD発熱体は密着花巻コイル方式(SAH型)熱風ヒーターの革新的技術です。

従来製品をお使いの方が、従来品と同じ寸法,特性のものを希望される場合もございますので、従来品の SAH-10Hシリーズ

関連情報

項目 Go 備考
Hシリーズ 長い歴史のあるSUS管一体型熱風ヒータ
熱風ヒータの概要,取扱説明 熱風ヒータの使い方の詳細があります
熱風加熱のビデオ ハンダを溶かす実験や木材を焼切る実験ビデオ
熱風ヒータの特性 熱風ヒータの電圧-流量-熱風温度-エア圧力特性など
熱風ヒータ専用コントローラ 熱風ヒータを制御して目的の温度,流量の熱風を得る装置
熱風ヒータの計算方法 計算によりヒータの必要電力や熱風温度,必要流量等を算出

型名指定方法↓

15 S シリーズ
加熱管径Φ15 金属ケース径Φ19

※ 1000℃常用対応はSAHD240v-3kw,SAHD240v-4kwのみ

15 S シリーズ

特性測定データ(PDF) SAHD240v-3kw BPR3.358
特性測定データ(PDF) SAHD240v-4kw BPR4.50

PDF図面
SAHD15Sシリーズ
SAHD240v-3kw
SAHD240v-4kw
DWG図面
SAHD15Sシリーズ
SAHD240v-3kw,4kw

18 S シリーズ
加熱管径Φ18  金属ケース径Φ22

※ 1000℃常用に対応

18 S シリーズ
240v- 6 kw

23 S シリーズ
加熱管径Φ23 金属ケース径Φ28

※1000℃常用に対応 

23 S シリーズ

23Sシリーズの詳細解説

2021/01/27の部分改良で各部寸法が少し変更になっています。また熱風出口のM25Fネジは廃止しました。

電源リード線はテフロン(PFA)電線を標準としますが、シリコンゴム-ガラスクロス電線(RS-G)も可能です。センサーリード線はテフロン(FEP)被覆Φ0.32 を標準としますが、ガラスクロス被覆線も選択できます。また耐屈曲性のリード線も選択可能です。

熱風温度900℃以下でご使用の場合はK熱電対が選択可能です。しかし950℃~1000℃の場合はN熱電対を選択してください。R熱電対にも対応しています。熱電対の位置はSC方式を標準としています。

このヒーターは高圧損設計です。250L/min.で1000℃の場合の圧損は約0.2MPaです。圧損が高くなるので、最大流量は400L/min.程度が一応の限界となります。また最低流量は約30L/min.です。 ただし温調をかけた状態(流量に応じた電力が供給されている状態)です。

熱風出口の接続はRc3/4での接続をお勧めします。フラットネジの場合は長時間ご使用後に外す事はほぼ不可能です。また高度な気密性が要求される場合はスゥエージロック接続か、又は溶接による接続を選択してください。このヒーターの熱風出口側は完成品状態でもTIG溶接が可能です。

23 S シリーズ

PDF図面

DWG図面

特性データ

SAHD-10Sシリーズ 詳細データ 10S type φ13

標準型SAHD-10Sシリーズ 各部寸法一覧
金属管部長さ 対象品種 200w~440w 650w~1kw
基本L寸 A型,P型
(外ネジ)
57 94
基本L寸 -9mm B,C型  48 85
基本L寸+9mm P型(内ネジ) 66 103
L1寸(ベース上寸法) 52 89
発熱体部全長 56 93
絶縁管長 49.5 86.5
発熱コイル全長の最長限度 32 66
石英管全長(A型,P型) 63 100
石英ノズル全長(B型,C型) 75 112

SAHD-15Sシリーズ 詳細データ 15S type φ19

標準型SAHD-15Sシリーズ 各部寸法一覧
金属管部長さ 対象品種 650w 1kw 1.6kw 3kw
基本L寸 A型,B型,P型(外ネジ) 75 95 120 138
基本L寸 -10mm C型 65 85 110 128
基本L寸+9mm P型(内ネジ) 84 104 129 147
L1寸(ベース上寸法) 70 90 115 133
絶縁管長 64 84 109 127
発熱コイル全長の最長限度 35 55 80 98
石英管全長(A型,P型) 80.5 100.5 125.5 143.5
石英ノズル全長(B型,C型) 93.5 113.5 138.5 156.5

SAHD-10Sシリーズ,SAHD-15Sシリーズの特徴のまとめ

  1. 新開発の超高密度発熱体HD-coilを採用

    弊社従来品の約半分のサイズで同等以上の加熱性能,約20倍の耐風圧強度の発熱体。また発熱長の短縮にともなって熱ロスも約1/2に減少し、高い熱効率も獲得。

  2. リード線引出し方法の改良

    リード線引き出し方法を改良したので、より狭いスペースにも組込可。

  3. 2分割構造の採用

    発熱体部とノズル部を分離構造としたので、部分交換が可能(ただし交換作業は販売店またはメーカー対応)。

  4. 耐エアー圧力の向上

    2分割できるセパレート構造を採用しながらも耐圧約4気圧(0.4MPa)を達成。 オプションで0.6MPa以上への対応も可能。

  5. 低分子シロキサン対策

    標準で低分子シロキサン対策。電線はフッ素樹脂被覆,ゴム部品はフッ素ゴム,接着剤は耐熱エポキシ(200℃)。更に製品全体を全数150℃,10分間の熱処理

  6. R熱電対に対応,2点センサも可

    オプションで2点温度センサー(熱風温度と発熱体温度)対応。エアー断にも対応でき、予熱ホットスタートにも利用可。標準のK熱電対に加えN熱電対,R熱電対(高温用)も選択可能。高温(800℃以上)にはこのNまたはR熱電対を採用するか、又はノズル部に外付けのセンサーを設置する。

  7. RoHS完全対応

    RoHSに対応。また輸出規制に関して「非該当」。

  8. 簡易断熱構造による熱効率の向上と本体温度の低下

    SUS外管と内部の石英管管の間に金属箔による簡易断熱構造を採用。これにより金属ケースの最高温度が約40℃低下。熱ロスも減少して熱効率改善

耐圧構造について

ノズル部と発熱体部の接続部に関してはフッ素ゴム製Oリングにて気密を保ちます。

リード引出部に関してはフッ素ゴム管を介在させることで気密を保ちます。

しかしテフロン(フッ素樹脂)被覆電線は接着できない材質なので、固定や漏れ防止は接着剤に頼ることができません。そこでフッ素ゴム管を針金で縛り、さらに金属ベースのテーパー部に金属線を巻き付け、強く締めつける事でゴムを変形させ電線を強く押さえ込んでいます。

更にその上に耐熱硬質エポキシ接着剤(200℃)を塗布する事によりゴム変形部にクサビが入った様な形となり、強固に固定されます。

これらの工夫により十分な耐圧力を得て強い風圧にも対抗し、外部からの電線の引っ張りに対する抵抗力も得ています。もちろん漏れも0.4MPaで2cc/s以下です。

ただし外部から電線を引っ張るのは極力避けてください。特にセンサーのリード線は内部がφ0.2の単線なので、引っ張るとこの単線に力が伝わり、ヒータ内部のリード線接続部が引っ張られ、外れる可能性があります。

リード線の長さと中継,端末処理

Sシリーズはリード長さが電源,センサーリードとも200mmが標準となります。端子は付きません。長いリードが必要な場合や端子が必要な場合は下表の価格が加算されます。

200mmリードの場合、通常はここでコネクタに接続して使用します。熱電対による温度測定の場合、コネクタ挿入による測定誤差を気にされる方がおられますが、コネクタ内部に温度差が無ければどんな金属が挿入されたとしても測定誤差は発生しません。コネクタ内で数℃も温度差が出ることはほとんど無いと思いますので、よほどの精密測定でない限り、気にする必要はありません。したがって特別なコネクタ(熱電対専用)は必要無いと判断しています。

ただしコネクタから測定器までの接続は長いので温度差は無視できませんから、必ず補償導線又は同種の熱電対線をリード線としてご使用ください。 延長用リード線,コネクタ,端子は弊社でも各種取り揃えております。

熱電対専用コネクタ CMP12-K  耐熱140℃ 熱電対専用コネクタ
CMP12-K 耐熱140℃

汎用コネクタ SMタイプ 耐熱85℃
メス オス ピン

弊社では熱電対専用コネクタは不要で、一般的なコネクタで十分と判断しております。 理由は高温で使われるため。

熱電対用リード線

K熱電対用リードはKの材質が安価なので、K熱電対そのものの材質で構成しています。しかし④のロボットケーブルは耐屈曲性を持たせるためにNi合金の補償導線としています。

R熱電対用は合金の補償導線です。


左から
①K用単線
導体Φ0.2又はφ0.32 ガラス被覆Φ1.5

②熱風温度,エアー流量の総合コントローラ
導体Φ0.2又はφ0.32 テフロン被覆Φ1.5

③R用 ヨリ線
導体Φ0.08×7本 テフロン被覆Φ1.5
耐屈曲性が良好

④K用ヨリ線
ロボットケーブル
導体Φ0.1×7本 高強度シリコンΦ3.2
耐屈曲性が優秀

高精度 熱風ヒーター用コントローラ

①エアー制御別の熱風温度コントローラ AHC-2

精密コントローラ AHC-2

精密な制御が可能,高機能,低価格(PR=8.8667)
ヒーターの過熱を防止する機能があります。

供給電源  100v~240v
負荷電流 10A-max.
200v電源ならば2kwの熱風ヒータまでコントロールできます。

取扱説明

②熱風温度,エアー流量の総合コントローラ FCM

総合コントローラ FCM
画期的な新技術 「デジタル流量制御 」

かんたん接続,かんたん設定で熱風ヒータが使えます。
本体のみで1kw程度までの熱風ヒーターが使用可。(エアー最大70L/min)
外部追加ユニットで3kw(210L/min.),6kw(420L/min.)ヒータに対応可です。

ロー付け実験ビデオ

フル画面で見て下さい

上は銀ロー付け実験ビデオ→(クリックで再生)
このときの条件はFCM-N型コントローラ使用で
ヒーター出力 90%(約900w)
熱風温度 1000℃

高温加熱実験ビデオ

このときの条件はコントーローラの使用なしで
エアー流量 20L/min. (圧力0.077MPa)
実測電圧,電力 144v-530w
熱風温度 1000℃
加熱対象物 約920℃

熱風ヒーター専用コントローラ FCM-N

上は画期的な熱風ヒーター用コントローラ「FCM-N」の解説ビデオ。

FCM-Nは電磁弁を毎秒10回の高速サイクル制御する事で微妙なエアー流量制御をしています。 超高性能電磁弁なので、この様な高速動作にも余裕で追従でき、寿命も50億回あるので、10年間以上の連続運転に耐える計算になります。摺動部など磨耗する部分がないので塵の発生もほとんどありません。

この方式のすばらしさは、高度なエアーコントロール性能をもちながら低コストであることです。 また簡単な内部変更でパルスブローにも対応できます。 熱風のパルスブローにどの様な効果や用途があるのかは今後の研究課題。

アルミ材の硬ロウ付けテスト

上はアルミロウ付けの実演ビデオ。

アルミ硬ロウ材はアルミ母材との融点に差が少ないため、特にガスバーナーの場合、注意しないと母材を溶かしてしまう。

その点、熱風ヒータなら微妙な温度調節ができるために比較的簡単にロウ付けができる。

ワークが大きめの場合には断熱性の台や壁を利用して熱の放散を防ぐと高温になりやすく、熱風ヒーターでも容易にロウ付けできる。さらにはセラミックウールなどで放熱を防げば、より効果的となる。ガスバーナーならセラミックウールは瞬間的に溶けてしまうが、熱風ヒーターならばその心配は無い。