光加熱スポットヒータ HSH-30、HSH-35
超小型のハロゲンスポットヒーター
ハロゲンランプの光を集中させ高温加熱する光加熱スポットヒータで超低コスト加熱を実現
集光径は焦点距離15㎜で約φ5㎜。加熱対象物にもよりますが約1300℃程度まで加熱可能。
ハンダ付けに使用した場合の時間は約5秒間。光で加熱します。熱媒体を必要としないので完璧なクリーン加熱が可能であり、真空中での加熱も可能です。
高効率ミラー設計と高反射率の金メッキ鏡仕様。HSH-35は石英製の前面保護ガラス付き。
ミラー部とランプ部に分かれており、ランプ部のみ,ミラー部のみの交換が可能
HSH品種 | HSH-12 | HSH-18 | |
ヒータ外径 OD | φ30mm | φ35mm | |
ヒータ高さ Height | 40mm | 44.5mm | |
質量 Mass | 約65g | 約85g | |
前面保護ガラス | 無 | 有 (石英) | |
集光距離 fmm 集光径 φSd mm パワー密度w/cm^2 ※これらの数値は24v-75wランプでの計算値です |
f=12 | 集光径φ4.5 110w/cm^2 |
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f=15 | 集光径φ4.5 120w/cm^2 |
集光径φ5.3 110w/cm^2 |
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f=30 | 集光径φ7 40w/cm^2 |
集光径φ8 32w/cm^2 |
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f=40 | 集光径φ9.1 25w/cm^2 |
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組合わせる標準ランプ (3種類の標準品あり) | A | JD24v-75w/3000K | |
B | JC12v-110w/3050K | ||
C | JC10v-85w/2900K | ||
水冷ユニット質量 | 約40g |
型名表記方法
HSH-30/f□(-φA)/□v-□w/+オプション
HSH-35/f□(-φA)/□v-□w/+オプション
※(-φA)を省略した場合は完全集光型。その場合の集光径はほぼ右上の表の様になります。 ある程度分散させ広い範囲を加熱したい場合は照射範囲φAを指定してください。その場合、特注仕様になります。ただし集光型でも焦点からずらして使用する事により広い範囲の加熱も可能です。例えば右上表の f=12mmの照射距離30mmで使えば約φ30の範囲を加熱できます。
水冷ユニット付HSH-30/f15 12v-110w
HSH-30/f15 12v-110w
ランプ部
HSH-30 or HSH-35
ミラー部
HSH-30
ミラー部
HSH-35
水冷ユニット
WCU-30 φ4チューブ接続
HSH-30,HSH-35用の標準ランプ
A | B | C | |
適合ランプ | JD24v-75w | JC12v-110w | JC10v-85w |
色温度 | 3000K | 3050K | 2900K |
寿命 | 800h | 800h | 1200h |
フィラメント輝度 (パワー密度)はB>A>Cです。 |
二重コイル発光体は比較的放射率が高く高輝度です。 |
シングルコイルですが、特殊設計で特別に高輝度化しています。 |
一般的なシングルコイルフィラメントです。 |
※一般的に高輝度光源のランプほど同じミラーでもスポット径が小さくなり、高温になります。
※真空中でのご使用についてですが、無機接着剤等からのガス放出の懸念はあるのですが、通常は支障なく使える様です。
温度データ。クリーン仕様品は上記理由で削除しました。→ 参考データ PDF
照射距離と照射径,加熱温度
下の写真はHSH-30/f15/24v-75w(焦点距離15mmの機種)で、照射距離を変えて照射した状態です。(スクリーンを焦がさないために撮影時の供給電圧は4v,そのときの消費電力は約5w)
当然の事ながら、照射距離=焦点距離の時が最も小さく集光します。最も小さく集光したときの径は、図面上には約φ5 と記載していますが実際にはφ4mm~φ5mm程度です。またランプによっても集光径は変化し、電力を小さくするほど集光径も一般的に小さくなります。(ほぼ電力の平方根に比例)→参考「光加熱の物理」
なにをもって「集光径」と呼ぶかなのですが、照明の分野では中心照度の半分になる範囲を照射範囲と呼ぶのが一般的です。
しかし光加熱の分野では「中心の半分のパワー密度になる所」というのはあまり意味がありません。そのため当社では「中心とほぼ同じ程度に加熱できる範囲」を「集光径」と呼んでいます。測定方法は光学的に測定するのはややむずかしいので、実用的な測定方法として紙に焦げ目をつけさせ、中心部とほぼ同程度に焦げる範囲を「照射径」としています。この方法は厳密さには欠けますが、実用的です。それ以外にも、当社の光学設計ソフトで配光計算し、中心部パワー密度の80%範囲を集光径とする場合があります。両者はほぼ同じ値になります。
参考までに焦点面での温度分布測定値と照度分布測定値1及び測定値2です。生データですので、見にくいとは思います。また温度分布については、温度が照度(光エネルギー密度)のほぼ三乗根に比例のため、分布の山がダレています。
下の写真で分かるように照射距離が焦点距離より近くても遠くても集光径は大きくなっていきます。この性質を利用すれば、比較的広い範囲を照射する事も可能です。ただ、さほど均一な照射にはなりません。厳密に均等な配光が求められる場合には単純な楕円ミラーではなく、配光を特別にコントロールしたミラーが必要です。しかしフィラメントの不均一さや焦点合わせの精度などから、完全に平坦な配光分布を得るというのは非常に困難な事です。→参考「光加熱の光学」
確実に高温加熱を成功させるには、ヒータの選定とともにちょっとした工夫が必要です。「空洞加熱法」を採用してください。
f=15の機種を10㎜の距離で照射
f=15の機種を15㎜の距離で照射
f=15の機種を20㎜の距離で照射
f=15の機種を30㎜の距離で照射
下側に出来た影はフィラメント支柱の影
本体の温度上昇について
24v-75wタイプでも24vで連続通電した場合には本体の温度上昇が約 200Kとなります。ここで室温が30℃とすれば本体温度は230℃程度まで上昇します。これは本製品の耐熱限界を超え危険です。当然の事ながら85wタイプや110wタイプではもっと温度上昇します。
連続通電される場合には強風を吹付けるとか、放熱板や放熱しやすいものに取りつけて冷却させる、又は水冷ユニットWCU-30の採用や後記する配管エアー冷却式のスポットヒーターを採用する等で本体の温度を150℃以下に保ってください。
連続通電でない場合や電圧を下げて御使用の場合には特に放熱対策が必要でない場合もあります。ただし、ご使用状態での本体温度は適時確認してください。
CAD図面 ダウンロード
各種製品図 | GO |
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HSH-30/f15/24v-75w/+HD | |
HSH-30/f/V-W | |
HSH-35/f15/24v-75w | |
HSH-35/f/V-W | |
HSH-30/f□(-ΦA)/V-W/+Air | |
HSH-24/f15/24v-75w |
3D図面 step形式 | GO |
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HSH-30_01.zip | |
HSH-30Air_01.zip | |
HSH35_01 zip |
作図組込用図面 | GO |
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HSH-30共通外形図.dxf | |
HSH-35共通外形図.dxf | |
HSH-30LineAir空冷式共通外形図 |
3D図面 f3d形式 | GO |
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HSH-30_01.zip | |
HSH-30Air_01.zip | |
HSH35_01.zip |
他のファイル型式が必要な場合はご相談ください。
asada@fintech.co.jp
※リード長さはアルミ管部(RPL)を含みます。
ハロゲンスポットヒーターの冷却について
ハロゲンスポットヒーターは状況によっては強制冷却が必要です。HSH-30/35の場合、50wまでであれば、連続点灯でも強制冷却は必要ありません。しかし60w以上で連続点灯の場合は何らかの強制冷却が必要になります。
冷却方式は水冷とエアー冷却の2種類が選択できます。水冷の場合は通常仕様品に水冷ユニットWCU-30を取り付けるだけで済みます。必要な冷却水量はランプ電力100wあたり50cc/min.です。110wランプの場合には55cc/min以上を流して下さい→下1図参照
エアー冷却式は下2図の様になります。エアー冷却式は配管エアー等を流して空冷します。必要なエアー量はランプ100w当り約25L/min.です。110wランプであれば27L/min.程度のエアーを流して下さい。
水冷ユニット装着の例
必要とする冷却水量はランプ電力100wあたり50cc/min.です。
エアー冷却式ハロゲンスポットヒーターの例
必要なエアー量はランプ100w当り約25L/min.です。75wランプの場合は約20L/min. 85wランプの場合は約22L/min. 110wランプの場合は約28L/min.