資料 : エアーヒーター用電源,コントローラ Fintech.co.jp
熱風加熱用の電源,コントローラについて コントローラユニット(完成品)はこちら
1.電源について 熱風加熱ヒータ(エアーヒータ)に使用できる電源やコントローラとしては下記の様なものがあります。 単純に電圧調整するだけならばスライダックがお勧めです。重量は大きいですが、丈夫で少々のことでは 壊れません。 小型軽量で低コストが望まれる場合,及び各種の制御を行うにはSCR式の電圧調整器がお勧めです。 電源の各種方式比較一覧表 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
各種方式の詳細 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ボルトスライダー (スライダック) 下図のような簡単な構成で使用する場合に適する。丈夫なので、条件出しの実験用などに適する。 |
ボルトスライダーの例 ヤマビシ製 S-260-10 入力 AC200v 出力 0〜260v 10A 実売価格 約¥31,000. |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
SCRスライダー(バリタップ) 上記ボルトスライダー(スライダック)を半導体化しただけのもの。小型軽量で安価。ただし高度な制 御機能は持っておらず、ボリュームを回すことで電圧を可変できるだけである。なお、手動操作とはい え、できれば下図の様に熱電対温度計で熱風温度のモニターをすることが望ましい。 より高度な機能を持ったSCRコントローラ(東京理工舎VSCDシリーズ等)の価格が下がっており、 ほとんど差がなくなっている(同社のVSCDシリーズの価格参照)。この程度の差ならばVSCDシ リーズを使う方が良いように思う。VSCDシリーズでも外部ボリュームを付ければ手動で電圧を可変 できる。 |
SCRスライダーの例(組込用) 東京理工舎製バリタップ VP-10C 入力 AC200v 出力 0〜196v 10A \10,700 東京理工舎製 ケース入り完成品 バリタップコントローラ VPM-10C 入力 AC200v 出力 0〜196v 10A \15,300. |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
SCR位相制御コントローラ 上記SCRスライダーと同じSCR位相制御方式であるが、各種の制御機能が組み込まれており、高度 な使い方ができる。 例えば下図のように熱風ヒータとSCRコントローラと温調器を接続すると熱風温度を設定値に常に保 つようにコントロールをする。各種の保護回路を組み込む事も容易。 ただし熱風ヒータを安定して使うには高度な電気制御だけでは無意味であり、エアー流量の安定化も同 時に行う事が不可欠。ちなみに熱風ヒータのトラブル(短寿命等)の原因の第一は予期せぬエアー断によ る過熱焼損である。エアーが完全に止まった場合には熱風ヒータの内蔵熱風温度センサーは何も検知し なくなり、ヒータに高電圧が加わり続けて数十秒間で過熱断線する。 交流用の位相制御素子にはトライアック又はSCR(2個の逆並列接続)が使われるが、弊社の経験上、 トライアックはノイズに弱い傾向があるので、SCRを採用したコントローラを推奨する。 |
SCR位相制御コントローラ 東京理工舎製 VSCDシリーズ
ケース入りの完成品タイプ ヒータコントローラ このヒーターコントローラはヒーターの温度調節を 容易に行なえるように、温度調節器とヒータへの電 力調節器を内蔵したもので、電源、ヒータ、温度セ ンサーへの外部接続とパネル設定で精密な温度調節 が出来る。 左図の内容(ヒータは除く)を1つのボックスにま とめたものと言える。単品組み合わせの同等品より も3倍程度の価格設定になっている。
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
SSR(半導体リレー) SSRの高速動作、長寿命という特徴を活かして毎秒2回以上のON-OFFを繰り返し、そのON時間 とOFF時間の比率を変えることにより電力をコントロールできる。 また交流波形の電圧ゼロの瞬間で ON-OFFさせることによりノイズの発生がほとんど無くなる。このようなコントロール機能を持った 温調器(例えばオムロンE5CN-QT)と組み合わせることでヒーターの電力制御が可能になる。 前記したSCR位相制御方式よりも簡易な方法である。 毎秒2回程度の低速スイッチングなので、熱風 ヒータの熱風温度も多少は脈動する。熱風ヒータの寿命にも影響する場合があり、ヒータにとってはSC R位相制御方式の方がベターであるが、多くの用途ではこのSSR方式でも使える。 しかし前記したSCR位相制御方式の電力コントローラの価格も下がってきており、あえてSSRを使う 意味も少なくなった。ただしSCR位相制御には温調器に電流出力型(E5CN-CT)を使う必要があり、ここ での価格差も¥5,000.ほどあるので、トータルすれば差額は1.5万円適度にはなる。 なお、SSR方式のメリットとして前記したノイズの発生が少ない事に加え、位相制御方式の様な電流波 形歪みが発生しないので、電源側から見ると好都合である(無効電流が少なく送電ロスが減る)。 |
SSR オムロン製 G3PBシリーズ |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2.温度調節器について 最も多用されていると思われるオムロン製E5CNタイプについて参考の ため掲載する。 |
|||
|
3.温度センサーについて 熱風ヒータを使う上で加熱作業の再現性を求めるならば熱風温度のモニターは不可欠であり、また熱風温度を常に一定の値に保つようなコントロールをする場合にも熱風温度のセンサーが不可欠である。 熱風温度のセンサーは当社熱風ヒータに組み込む事ができる(オプション +S 仕様)。このセンサーは通常はK熱電対であり、熱風出口付近に配置されている。(高温でも長寿命のRタイプもある) 上記センサーでは熱風ヒーターの熱風出口温度を検知する事ができるが、場合によっては加熱対象物やその付近の温度を検知する必要が生じる場合もある。そのような場合には外付けの熱電対を加熱対象物に近接させて配置したりする事になる。→ 熱電対 を参照 このような熱電対は通常ならばK熱電対のできるだけ細いもの(例えば素線径φ0.2)を使用する。加熱温度が高温になるほど寿命を考慮すると熱電対は太いものを使用しなくてはならないが、その場合には応答速度が低下する。高温,高速応答用として当社ではR熱電対の素線径φ0.3を準備している。 どうしても加熱対象物の温度を検知する必要があり、しかも熱電対を加熱対象物に貼り付けたり近接させたりすることができない場合は、放射温度計を使う事になる。 |
熱風ヒータ(φ4)に組み込んだ K熱電対型温度センサー 吹出す熱風の温度を検知する。 関連情報 →熱電対 |
|||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|