資料 : 光加熱用電源,コントローラ           


 

 
光加熱ハロゲンランプ用の一般的な電源について
 専用コントローラはこちら

以下は一般的な電源装置でハロゲンランプヒータ用として使えるものを解説したものです。

通常のご使用であれば、これらの電源が使用可能です。ただし産業用などで特別に高信頼性,高機能が求められる場合には

弊社の専用コントローラを採用してください。簡単に安全にハロゲンランプヒータが使えます。 →専用コントローラ  

  
ハロゲンランプの定格電圧は線集光型(LHWタイプのラインヒータ等)の場合、100vとか200vとかの電源ライン電圧を採用します。線集光型の場合は一般的に細長い発光体(フィラメント)になるため、比較的高い電圧が採用できるためです。

しかし点集光型(HSHタイプ)の場合で、低電力のもの(300w以下)は24vとか12vを採用します。点集光型の場合、フィラメントは小さくまとめる必要があり、そのためには低電圧の方が都合が良いのです。大電力のものでも200vの採用は困難であり、100vまでとなっています(例:HSH-160用の100v-2kwランプ)。

ハロゲンランプを使ったヒータは電圧をコントロールすることにより簡単に0〜100%の範囲でパワーがコントロール出来ます。そのため、少し大きめのパワーのランプを採用しておき、それの電圧をコントロールして最適な加熱温度になるようにコントロールするのが一般的です。

従ってハロゲンランプヒータの電源には電圧が可変出来るタイプが望ましい事になります。

下の表はハロゲンランプに採用される電源についてまとめたものです。一般的に電源ライン電圧用ランプと低電圧ランプ(12v〜24v)用では少し違うものになります。
  

 トランス(50/60Hz用)

鉄芯に銅線を巻いた通常のトランス。重いのが欠点であるが、優れた点も多い。トランスで電圧を調整する方法としては、タップの多く付いたトランスを使用すればよい。たとえば24vランプ用ならば 12-15-18-21-24v の様にタップがあれば大まかな電圧調整はできる。トランスの場合、電源の電圧が変動すれば出力側の電圧も変動する。
スロースタート機能は無いので、ハロゲンランプの点灯では突入電流が問題になりやすい。→電源に対して悪影響があったり,ランプ寿命に対しても悪影響する。ON−OFFではなく、Hi−Loで使えば突入電流は軽減できる(Lo電圧で予熱しておくという考え方。応答は早くなるが、省エネの観点からは△)。
 高周波トランス方式

 (主に低電圧ランプ用)

トランジスタのスイッチングで高周波トランスを駆動し、低電圧に変換して、整流し直流を得る電源が一般的であるが、ハロゲンランプは数十kHzでも点灯できるため、整流せずに高周波のままで点灯するもの。自励発振回路と高周波トランスを組み合わせただけのシンプルな構成が多い。通常のトランスに比べ極端に軽量。低電圧ハロゲンランプ器具用の組込用として多用されているが、少量の場合は入手困難。出力電圧は固定が多く、可変タイプでも可変範囲は限られる。
 灯具組込み用として
 使われているものが
 ほとんどであり、これ
 のみの一般市販品
 はほとんど無い。
 直流安定化電源

 (主に低電圧ランプ用)

通常の電源トランス、又は高速スイッチングで高周波トランスを駆動して低電圧直流を作り、その電圧変動を抑える機能を持たせたもの。出力電圧調整ができるものが使いやすい。通常のトランスを使ったものは重い。高周波トランスを使ったものは軽いが、出力電圧範囲が狭くなる場合が多い(0〜15vのところが5〜15v程度の範囲しかでない等)
保護回路の種類も重要。「フの字特性」保護回路の付いたものはランプ用には使えない。「電圧垂下特性」は問題なく使える。これはランプにとっても突入電流が抑制されるので好ましい。
低電圧ハロゲンランプ点灯用として理想的な電源ではあるが、やや高価である。


    下表に各種機器の紹介が
    あります。 
 スライダック(商品名)
 又はボルトスライダー他

 (ライン電圧ランプ用)

出力電圧が入力電圧の0〜130%程度の範囲で可変出来るトランス。ライン電圧(100v又は200v)のランプの電圧調整ならばこれだけでも良いが、低電圧のランプをこれで電圧調整して点灯させるのは危険。
単巻きトランスに属すので、入力側と出力側は絶縁されていない。丈夫で扱いやすいが、かなり重い。
電圧のスロースタートは手動で電圧をゼロから所定電圧までゆっくり上昇させる。つまり手動での調整用であり、自動制御用には使いにくい。
  スライダック+トランス

 (主に低電圧ランプ用)


上記にトランスを組合わせたもの。低電圧のランプにも対応できる。重いのが最大の欠点であるが、丈夫で扱いやすい。自動制御は困難。

入力電圧よりも高い電圧まで出るので、右図のような構成では出力24vのトランスから31v程度まで出てくることになる。この場合、24v以上の電圧で長時間使う場合には過熱に対して注意が必要。
 SCRスライダー
 SCR式電力調整器

 (ライン電圧ランプ用)

ボルトスライダーのSCR(半導体)版。ボルトスライダと同様に使えるが、瞬間的でも過大電流には弱く、壊れやすい。ハロゲンランプを接続した状態でいきなり電圧を加えると点灯瞬時に定格の5倍以上に達する突入電流が流れるので、これで破損する場合もある。突入電流を抑制するためにもにスロースタート機能付きの機種選択が望ましい。また即断FUSEも併用すること。

スロースタート機能が付いていれば突入電流は抑制できる。外部コントロールが容易な機種も多く、自動制御に適する。
電力のコントロールは位相制御と呼ばれる高速スイッチングにより行われる。そのため電圧波形歪みが大きく、ノイズが発生しやすい。また測定器によっては大きな測定誤差が出る。(真の実効値型の測定器が必要)
 SCRスライダ+トランス

 (主に低電圧ランプ用)


上記を低電圧ランプ用に使う場合の構成。SCRスライダも減圧トランスも、この制御に対応するよう作り込まれた製品が望ましい。対応が出来ていないとトランスから音が発生したり、SCRが不安定な動作をしたりする。

SCRスライダは入力電圧よりも少し低い電圧までしか出力できない(約98%)。そのため右図の様に出力24vのトランスを使ったとしても0〜23v程度の範囲しかでない。


  低電圧ハロゲンランプ用安定化電源 

  ハロゲンランプは突入電流が大きいので、通常の電源では動作しない場合があります。下記はハロゲンランプにも
  対応できる事を弊社で確認したした電源です。通常の使用なら下記の一般電源で対応できます。しかし産業用など
  で特に高信頼性、高機能が要求される場合には弊社の専用電源を採用してください。

 一般電源

 10〜30v 30A

 複合アナログメータ
 電圧,電流,電力を表示

 \119700.  
 Size 225×130×420
 Mass : 5kg 

 一般電源

 3〜15v 30A 

 デジタルで電圧,電流を
 表示 (表示は切替式) 

 \ 37000.
 Size : 210×80×265
 Mass : 2.9kg
 
  
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 一般電源

 5〜15v 30A 

 アナログ2メータ 
 電圧,電流を表示

 ¥34400. 

 Size : 145×120×270
 Mass : 2kg
 
   

 

交流点灯と直流点灯

ハロゲンランプは交流でも直流でも点灯できます。しかし一般的には交流点灯の方が安全と言えます。直流点灯の問題点はランプが断線したときの挙動です。直流は電流が止まりにくく、断線後もアーク放電がランプ内で持続する場合があり、この熱でガラス管が軟化して曲がったり膨らんだり、最悪の場合は破裂します。
従ってライン電圧(100vとか200v)のランプでは必ず交流点灯としてください。低電圧ハロゲンランプはこの心配がほとんど無いので、交流でも直流でもかまいません。


ハロゲンランプを定格電圧よりも大幅に低い電圧で使う場合の問題点

ハロゲンランプをその定格電圧よりも大幅に低い電圧で点灯すると「ガラス管温度が上がらないのでハロゲンサイクルが働かず、問題が発生する」と考えがちですが、電圧を下げるとフィラメント温度も下がりますのでフィラメントの蒸発もほとんどなくなり、ハロゲンサイクル自体が不要になります。つまり低電圧で点灯しても問題ありません。


位相制御素子について

交流用の位相制御素子にはトライアック又はSCR(2個の逆並列接続)が使われますが、弊社の経験上、トライアックはノイズに弱い傾向がありますので、SCRを採用したコントローラを推奨します。


スライダックについて

スライダックという名称は(株)東芝様の商標ですが、同社では現在生産されていません。しかしこの名称はほとんど一般名詞化しており、ここでもそのように使わせて頂きました。ちなみにボルトスライダーは(株)YAMABISHI様の商標です。
 


 オーダーメイドの制御盤


光加熱ヒータを点灯するだけならば上表の各種電源の中から適当なものを選択し、使用すれば良いのですが、当社のヒータを自動機械に組込む様な場合には自動機械との動作のリンク、安全装置その他の対策が必要であり、その機械に細かく対応した専用の制御盤が必ず必要になります。

そこで弊社では弊社ヒータに最も適した構成の電源を選択し、それを組込んだ制御回路を持つ制御盤をオーダーメイドで製作しております。

下記はご商談開始から設計、製作、納入までのおおまかなタイムスケジュールです。

   0  2  4  6  8  10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34 36 38 40 42 日数
 @仕様の確認,検討 ■■  
 A概算御見積   ■■ 
 B仮ご発注     ■■ 
 C詳細設計→ご承認       ■■■■         
 D最終御見積            ■■     
 E正式ご注文              ■■     
 F製作                 ■■■■■■■■■■■■■■■■    
 G検査,納入                                         ■■■■    


以下は標準的な制御盤の構成です。これを基に追加で必要な機能を加え、また不要な機能は削除して制御盤の構成を決定します。制御盤製作のコストはこれらの条件や熱風ヒータの容量,流すエアー流量等により決まります。また遠方の場合は出張立会検収が必要かどうかによっても御見積は変わってきます。

 
  項目   内容   備考
 制御の概要 2段階の電圧に設定でき、電圧を加える時間をタイマーで個別に設定できる。冷却水や冷却エアーの監視をし、異常時には通電を止める。外部コントロール可

 制御部 基本的にはリレーシーケンス。ただし制御用リレー数が多くなるような場合にはシーケンサ(三菱)を使用。



 安全装置 漏電ブレーカ,FUSE,冷却水用フロースイッチ,冷却エアー用フローSw,非常停止Sw,その他



 運転操作スイッチ,ツマミ 主電源Sw,設定電圧@Sw,設定電圧ASw,タイマー@,タイマーA,停止,タイマーOFF,外部コントロールSw



 運転状態表示 電源,運転,電圧計,電流計(アナログメータ) 



 異常表示 水量,エアー量,その他








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