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熱風ヒータ内への外気逆流→温度測定上の厳重注意事項
エアー流の不思議な性質: 熱風を吹き出しているヒーターの中に外気が逆流する。常識からかけ離れたエアーの流れ方
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下は高温熱風を高速(約30m/s)で吹き出している熱風ヒーターの内部に外部空気が大量に逆流する事がある、という事を証明するための実験です。
常識的に考えると勢いよく吹き出している管の中に外気が逆流して入っていく、というのは受け入れにくいでしょう。しかしこれは事実であり、この事をよく理解せずに熱風ヒータを使うと十分に熱風ヒータの能力を引き出す事ができず、また熱風ヒータを過熱損傷させてしまう事すらあります。
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左は熱風ヒーターの吹き出し口から壁までの距離が10mm以上と長く、逆流しやすい状態です。
これだと内蔵温度センサーが1000℃にも関わらず、吹き出し口内部の温度は563℃を示しています。見た目にも熱風出口は赤熱しておらず、逆流空気で冷却されているのが分かります。
左上が吹出し部の管内部温度
右下が内蔵センサー温度
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左は熱風ヒーターの吹き出し口から壁までの距離が約3mmであり、横方向に広がる気流に邪魔されて逆流が少なくなっています。
これだと内蔵温度センサーが1000℃の時に、吹き出し口内部の温度は861℃を示しています。見た目にも熱風出口近くまで赤熱してきており、逆流空気の影響が減っているのが分かります。
左上が吹出し部の管内部温度
右下が内蔵センサー温度
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左は熱風ヒーターの吹き出し口から壁までの距離が約1mmであり、横方向に広がる強い気流に邪魔されて逆流がほとんどなくなっています。
これだと内蔵温度センサーが1000℃の時に、吹き出し口内部の温度は996℃を示しています。見た目にも熱風出口まで赤熱しており、逆流空気の影響がほぼ無くなっているのが分かります。
左上が吹出し部の管内部温度
右下が内蔵センサー温度
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この様に熱風ヒーターの場合には、吹出し口の内部にまで外気がかなり逆流するので、熱風温度測定にはこの事を念頭に入れて測定する必要があります。内蔵温度センサーと外部温度計の差が200〜400℃になる事は良くある事だという認識が必要。しかもどちらの温度計も数値は正しい。
また内蔵温度センサー自体の温度も逆流の影響を強く受ける。上記の3枚の写真は内蔵熱風温度センサーの温度が1000℃になるように制御されているので分かりにくいが、実際には逆流により内蔵センサーも冷却されている。
それを打ち消して同じ温度を表示させるためにヒーターにはより多くの電力が供給される。そのため、逆流が大きい状態では同じ設定温度でも発熱体は無理をしており、寿命が低下する。SC方式の熱風温度センサーは通常位置のセンサーに比べれば逆流の影響は受けにくいが、それでもかなりの影響をうける。
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